悩む人続出!季節の肌トラブル「皮膚のかゆみ」の原因と対策

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秋から冬にかけて急増する、皮膚にかゆみを感じる肌トラブル。特に冬場は、皮膚のかゆみや湿疹などで医療機関を受診する方が増えるそう。加齢にともない皮膚の機能は低下するので、かゆみは年齢を重ねるたびに増えていきます。
今回は、皮膚のかゆみの原因と対策についてお伝えします。

皮膚のかゆみについて

誰もが知っている不快な感覚の「かゆみ」。かゆみは痛覚の一種で、痛みのごく弱いものと考えられています。皮膚の炎症や皮膚疾患、アレルギー反応、精神的な影響など原因は様々で、かゆみを感じて皮膚をかくと、皮膚のバリア機能を担っている角質層がダメージを受けてさらに刺激を感じやすくなります。また、皮膚をかくことで刺激の一部が末端神経に伝わり、かゆみ物質のヒスタミンを放出する細胞を刺激するため、かけばかくほどかゆみは増し、症状は悪化します。

かゆみを引き起こす刺激

紫外線、細菌、ウイルス、ハウスダスト、花粉、植物、食べ物、衣服、洗剤、化粧品、貴金属、気温、湿度など

かゆみが起こるメカニズム

皮膚は、一番外側にある表皮と皮脂膜で外部の様々な刺激から肌内部を保護しています。けれども何らかの刺激が原因で肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激物が皮膚内へ侵入すると、刺激への免疫反応により炎症が起こります。その時、かゆみが生じると言われています。

かゆみが起こる皮膚の状態

皮膚にかゆみが起こるのは以下のような状態の時です。

乾燥肌、敏感肌

皮膚のバリア機能が低下しやすい乾燥肌や、バリア機能が常に低下している敏感肌は、髪の毛先が顔に触れる程度のちょっとした刺激でも反応し、かゆみを生じることがあります。

加齢による皮膚の老化

私たちの皮膚は加齢とともに薄くなり、保湿機能、バリア機能が低下することにより乾燥し、肌トラブルを起こしやすい状態になっています。特に更年期以降は女性ホルモンの減少によって皮膚が乾燥しやすいため、かゆみを感じることが多くなります。

湿疹、皮膚炎など

皮膚に炎症が起こり、かゆみを誘発する身近な皮膚疾患。原因も症状も様々で、かゆみの多くは発疹(紅斑、丘疹、水疱など)とともに現れます。多くの場合、皮膚のバリア機能の低下により発症します。

かゆみをともなう皮膚炎や皮膚疾患

かゆみをともなう皮膚炎・皮膚疾患には以下のようなものがあります。

乾皮症(かんぴしょう)

皮膚のバリア機能が失われ、乾燥して角質がはがれてしまっている状態。皮膚表面がカサつき、ひどくなると白い粉をふいたりひび割れて、かゆみや痛みを生じます。

皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)

秋冬の乾燥する季節に、皮膚の赤みやブツブツとした湿疹ができ、かゆみをともなう皮膚疾患。高齢者に多く見られます。

尋常性湿疹(じんじょうせいしっしん)

一般的な湿疹。皮膚疾患の中で最も多く、急性と慢性のものがあります。急性の場合、皮膚に紅斑、丘疹、水疱ができ、かゆみをともないます。手湿疹、主婦湿疹、貨幣状湿疹、自家感作性皮膚炎、うっ滞性皮膚炎などがあります。

じんましん

突然皮膚に現われる、赤みと皮膚の腫れ、かゆみをともなう皮膚疾患。原因は食べ物やハウスダスト、植物、虫、ストレスなど様々。形や大きさも様々で、全身に現われます。通常は数分から数時間、半日以内には消えますが、しばらくしてまた現われることも。発疹が4週間以上続くものは慢性じんましんと言います。

あせも

汗腺の出口が詰まり、汗腺の出口とその周辺に汗が溜まって起きる炎症。多くは赤みを帯びた小さな発疹が現れ、汗をかくことで発症します。

かぶれ(刺激性接触性皮膚炎)

接触性皮膚炎のひとつで、何らかの特定物質が皮膚に触れることで炎症が起こる皮膚疾患。赤ちゃんのオムツかぶれは尿や便のアンモニアが原因物質となり、皮膚に触れてから数時間後に炎症を起こします。その他、油や石鹸、洗剤などの化学物質や虫の毒などが原因物質になることもあります。

アトピー性皮膚炎

湿疹の代表とも言えるアレルギー性の皮膚疾患。内因性湿疹(症状を起こす原因が、免疫力や遺伝等、体の内部にある湿疹)で、食べ物やハウスダストなどの原因物質により引き起こされます。皮膚が乾燥してカサつき、硬くなるのが特徴で、かゆみの強い湿疹を繰り返し、かくことで悪化します。思春期ごろに治まる場合と、成人以降も続く慢性のケースがありますが、専門医の治療と適切なスキンケアを続ければ治る疾患です。

アレルギー性皮膚炎

接触性皮膚炎のひとつ。貴金属や化粧品、漆や銀杏などアレルギー物質に触れることで炎症を起こし、接触しなかった皮膚まで赤くなります。かゆみの強いものと、かゆみのないものがある他、ブツブツや水疱ができることも。
薬の副作用など、薬物に対するアレルギー反応により起こるかゆみは「薬疹」と言います。

虫刺され

蚊、ノミ、ダニ、毛虫などの昆虫に皮膚を刺され、毒性物質が体内に入ることで、かゆみや腫れが生じます。誰にでも起こる炎症ですが、かきすぎると悪化するので注意が必要です。

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)

皮脂の過剰分泌により起こる皮膚疾患。皮脂腺・皮脂分泌の多い頭皮や鼻の周りなど顔に発症しやすく、赤みを帯びてかゆみをともない、皮膚がカサつきはがれる場合もあります。

ビダール苔癬(たいせん)

神経皮膚炎とも呼ばれる首に現れる皮膚疾患。女性に多く、なんらかの原因により皮膚が厚くなり、強いかゆみと赤い丘疹が現れます。

皮膚掻痒症(ひふそうようしょう)

内臓疾患が原因で皮膚がかゆくなる病気。限局性と全身性に分けられ、全身性の場合、糖尿病や慢性腎不全、甲状腺機能亢進症や更年期障害などが原因として挙げられます。また、精神的なストレスがかゆみの原因になる場合もあります。

乾癬(かんせん)

赤い発疹と、発疹の表面のかさぶたが特徴の皮膚疾患。発疹は頭部にできやすく、徐々に皮膚の摩擦が起きやすい部位に広がっていきます。遺伝や免疫機能の低下、ストレスや内臓障害などが引き金となって発症すると言われています。

日常生活での皮膚のかゆみ対策

かゆみを引き起こす原因は日常の至るところに存在します。普段の生活習慣を見直し、かゆみを誘発・悪化させる要因は避けるようにしましょう。

室内の乾燥を防ぎ加湿する

かゆみの原因となる肌の乾燥を防ぐため、室内ではエアコンなど暖房器具を使いすぎないようにして、加湿器などで加湿をしましょう。濡れた洗濯物を室内に干すことでも効果が得られます。また、汗が刺激となったり、体温が上がるとかゆみが増すため、部屋が高温にならないように気をつけましょう。

刺激の少ない洗顔を心がける

肌が乾燥して敏感になっているときは、洗浄力の高いクレンジングや洗顔料を避け、低刺激の製品を使いましょう。熱いお湯は刺激になるばかりでなく、保湿に必要な皮脂やセラミドを洗い流してしまうので、ぬるめのお湯で洗い流します。また、顔の洗いすぎも肌への刺激となるので注意が必要です。洗顔後はタオルで肌をこすらないようにして、優しく水分を拭きとってください。

保湿中心のスキンケアに変える

皮膚の乾燥を緩和するには何よりも保湿が大切です。洗顔後はすぐに保湿をしましょう。そして、化粧水の重ね付けや、コラーゲンやヒアルロン酸、セラミドなどの保湿成分が入っているもので保水効果を高めます。
また、メイクを薄くすることで肌への刺激を減らしたり、紫外線対策などもしっかりと行い肌を乾燥から守りましょう。乾燥する季節には、フェイススプレーなどでこまめに水分補給をして、皮膚からの水分蒸発を防ぐのもおすすめです。

ビタミンCを摂取する

皮膚の乾燥にはビタミンCの摂取もおすすめです。食事で補ったりスキンケアに取り入れることで、皮膚の乾燥により生じるかゆみを緩和します。また、海外ではビタミンCはアトピー性皮膚炎の改善に効果があると注目されているそうです。

特定のアレルギー物質を避ける

食べ物や薬品、貴金属など、特定のアレルゲンがわかっている場合はそれらを避けることも大切です。外食では、アレルギー物質が入っていないメニューでも、調理場が同じだとアレルギー物質が混入してしまうこともあるので、不安な場合は確認するようにしましょう。また、アルコールや香辛料などはかゆみを悪化させるので、かゆみが強い場合は控えましょう。

洗濯物をよくすすぎ、脱水する

洗濯物に残った洗剤に皮膚が反応したり、生乾きが原因で洗濯物に雑菌が発生し、その刺激でかゆみが出ることもあります。選択をするときはすすぎ、脱水をしっかりと行いましょう。

かゆみが強い時はかかずに冷やす

かゆみのある患部をかくと状態は悪化します。かゆいからとかかずに、氷や濡らしたタオル、保冷剤などで患部を冷やすことで、かゆみを緩和させましょう。また、幹部を清潔に保つことも、かゆみを抑えるためには大切です。

市販薬を使う

乾燥によるかゆみには、セラミド、コラーゲン、ヒアルロン酸、グリセリン、尿素など保湿成分が入った市販の軟膏やクリームがおすすめです。湿疹の場合、症状が軽い場合は自然治癒や、市販薬での治療も可能ですが、自己判断で不適切な薬を使うと悪化する恐れもあります。必ず薬局で相談し、適切な薬を使用しましょう。

病院で診察を受ける

湿疹や皮膚炎は慢性化すると治りにくくなります。かゆみが長期間続く場合や我慢できないほど強いとき、症状が1~2日しても治らない場合は、皮膚科などの医療機関で速やかに診察を受けましょう。

おわりに

皮膚のかゆみの原因は様々。秋冬は特に肌トラブルが起こりやすい時期なので、毎日のスキンケアでしっかりと保湿を行い皮膚に潤いを与えましょう。また、かゆみなど炎症を起こしている皮膚はとても敏感です。毎日の洗顔やメイク時に肌の不調を感じたら、肌への刺激を控え、労わってあげましょう。

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