前回はヒフの構造の途中まで書かせていただきました。
今回はヒフ構造の続き、皮下組織についてから、書いていきたいと思います。
・皮下組織
脂肪を多く含んでいるので皮下脂肪組織ともいう。
・ヒフ表面の脂肪膜
ヒフの組織ではないが、皮脂と汗がヒフ表面で混じりあって薄い膜を作っている。
これを脂肪膜と言い、ヒフの保護に重要な働きをしている。
・脂腺(皮脂線)
皮脂の分泌は夏に多く冬は少ない。ヒフをマッサージすると、血液循環がよくなり、分泌が多くなる。
・脂肪膜を作る皮脂は乳化している。
そして水中油型(0/w)と油中水型(0/w)の両方に変化する。
脂肪膜の乳化剤としてはラノリン、コレステリン、リン脂質などが含まれている。
→脂肪膜の組成分に近いものほど良いクリームと言える。
・脂肪膜は弱酸である。
アルカリ中和し、細菌の発育をおさえる。
角層にしみこんで角片の余分なはがれをおさえる。
・脂肪膜の補充速度は速い。
エーテルでヒフを拭いた後、1時間で50%、4時間でもとに戻る。
脂肪膜のよごれ・・・3~4時間毎に洗うことが理想。
3)ヒフの略図
脂肪膜
角片・・・・死んでいる細胞
核層・・・・核細胞
顆粒層・・・ヒフに栄養を与える
棘状層・・・新しい細胞を作る、メラニンを含む、色素細胞
基底層
表皮突起・・・ヒフの伸展に応じる
乳頭層・・・線維がまばらで水分を多く含んでいる
乳頭下層
網状層・・・線維が密で下に水分を逃さない
4)ヒフの吸収
・経皮吸収とは表皮を通って真皮にまで入っていくことをいう。通常クリームなどは角層にしみ込むがそれ以上は入らない
ため、これは滲透という。
・角層と顆粒層の間にバリアゾーンと言われる薄い層があり、このために水分等が深く滲透しない。
・経皮吸収
経皮吸収が行われるにはまず脂肪膜を通過しバリアゾーンを通過しなければならない。
ヒフの表面は脂肪膜で覆われているため、油溶性のものでなくてはヒフ表面にふれられない。また、毛口、毛ノウ内に入っていくために(脂腺を
通じ真皮内に入っていく)やはり油溶性でなければ吸収されない。水溶性のものは吸収されない。
顔が特にざらざらしているときはバリアゾーンが壊れているのでクリームなどは吸収されやすい。
次回は美容・化粧についてです。