昨今、多くのコスメブランドが力を入れているエイジングケア専用の化粧品。今では様々なエイジングケアコスメを目にするようになりました。その一方で、「どの化粧品を使えばいいのかわからない」「エイジングケアを始めたくてもその方法がよくわからない」「何が適切かわからない」「いつから始めればいいのかわからない」と疑問をお持ちの方は意外と多いようです。
そこで今回は「エイジングケア」についてまとめました。ご自身に合うエイジングケアを見つける参考になれば幸いです。
エイジングケアの基礎知識
美容において、すっかり定着した「エイジングケア」という言葉ですが、実は「なんとなく理解している」という方が多いことをご存知でしょうか？まずはエイジングケアについておさらいしましょう。
エイジングケアとは？
エイジングケアとは、年齢に応じたスキンケアのこと。特に、加齢とともに訪れる様々な肌トラブル「エイジングサイン」の予防と対策をすることで、年齢に負けない若々しい肌を維持するために必要なスキンケアのことを指します。
エイジングサインとは？
加齢による肌の衰えと、それにともない起こる肌トラブルのこと。
人は、年齢を重ねるにつれて肌の機能も衰えていきます。肌老化には個人差がありますが、一般的には28歳前後をピークに肌の代謝が落ち始め、ハリの元となるコラーゲンや保湿機能を担うヒアルロン酸などの分泌が減少するため、20代後半から30代前半にかけて肌の衰えが気になり始めるという方が増えていきます。初期老化のサインには、シミや小ジワ、ハリの減少、乾燥やくすみなど、大きな変化ではなく何となく感じる不調が挙げられます。
そして35歳を過ぎたころからシミやシワ、たるみやほうれい線、肌の乾燥、毛穴の黒ずみや開きなどが目立つように。また、化粧ノリの悪さや化粧崩れなど、以前は気にならなかった肌の変化を顕著に感じるようになります。
エイジングケアを始めるタイミング
「エイジングケアをいつから始めればいいのかよくわからない」というお悩みをよく聞きますが、エイジングケアは「エイジングサインに気づいたとき」が始めるタイミングです。スキンケアの場合、早く始める分には問題ありません。けれども遅いと肌トラブルが進行し、若い頃に比べると化粧品の効果が出にくくなってしまうこともあるので、エイジングサインを感じたら早めにお手入れを始めると安心です。
また、前述したようにエイジングサインが現れるタイミングは人それぞれ。バランスの悪い食生活や睡眠不足など不規則な生活が続いている方は、20代前半でもエイジングサインが出ることがあります。思い当たる方はこれからご紹介するスキンケア以上に、まずは日々の生活習慣の改善を心がけることが大切です。
効果的なエイジングケアとは？
エイジングケアは主に2つのアプローチで行います。1つはスキンケア。老化の大きな原因と言われる紫外線による肌ダメージや乾燥を予防するとともに、肌老化に効果的な成分を配合したエイジングケア専用の化粧品を使用します。そしてもう1つは食生活や生活習慣の見直しです。バランスのいい食生活と質の良い睡眠、規則正しい生活を送り、内側からも抗老化対策を行っていきます。
年齢肌に効果的なスキンケア
それでは、スキンケアの具体的な方法を解説していきます。
・乾燥対策と保湿を行う
エイジングケアの必要性を感じたら、まずは保湿を徹底して肌の乾燥を防ぐことが大切です。加齢による肌トラブルの大半は肌が乾燥することで起こります。健康な肌の角質層は約20～30％の水分を含んでいて、セラミドなどの保湿成分によって水分が保たれています。けれども加齢などで肌の機能が衰えると角層層の水分が減少して乾燥し、シワやたるみ、ほうれい線、毛穴の詰まりや開き、ターンオーバーの乱れによるシミやくすみなどを引き起こします。また、乾燥で肌のバリア機能が弱まることにより外的刺激を受けやすくなり、吹き出物やニキビ、肌荒れなど様々な肌トラブルの原因となります。
以上の理由から、加齢とともに減少し失われた水分・油分をスキンケアで補い保湿することが重要です。保湿力の高い化粧水で潤いを補い、乳液やクリームなどで皮脂の代わりとなる油分もしっかりとカバーしましょう。
・紫外線対策と抗酸化
様々な原因で発生する活性酸素が老化の大きな原因となることから、一番のエイジングケアは抗酸化だとも言われています。そして多くの方がご存知のように、その活性酸素の発生には紫外線が大きく影響しています。そのため、紫外線対策（UVケア）もエイジングケアを行う上では大切なことです。紫外線はシミ・そばかすだけでなく、乾燥肌を引き起こす原因にもなります。春から秋までは紫外線量が急増するので、日焼け止めだけでなく、日傘や手袋、帽子、サングラスなども活用して徹底的に紫外線ダメージを避けるように心がけましょう。
その他、紫外線対策に有効な抗酸化作用のあるビタミンCをスキンケアと食事に取り入れることもおすすめです。身体の内外から活性酸素にアプローチして紫外線によるダメージを無害化し、老化の進行を緩やかにします。
・エイジングケアに特化した基礎化粧品を使用する
最近は多くのコスメブランドでエイジングケア専用のシリーズを取り揃えています。エイジングケア化粧品は保湿力の高い成分を配合したものが多く、さらに肌悩みに働きかけるものがほとんどです。シミやくすみが気になるなら美白、たるみやほうれい線のケアには肌のハリを高めるもの、毛穴の悩みには毛穴ケアに特化したものなど、ご自身の悩みに合わせたエイジングケア化粧品を選ぶと良いでしょう。何を選べばいいのかわからない、という方は、コスメカウンターでビューティーアドバイザーに相談しながら色々と試してみることをおすすめします。
また、エイジングケア化粧品はラインで揃えて使うことが最も効果的ですが、すべて揃えるとなると思いのほか高額になってしまうことがあります。エイジングケアは続けることが大切なので、すべてを揃えるのが難しい時は、今ある化粧品に美容液を1本プラスすることから始めましょう。
・年齢肌に効果的な成分含有の美容液を取り入れる
エイジングサインが色々とあるように、エイジングケアに良いとされる成分も様々です。乾燥対策には、保湿成分であるセラミドやコラーゲン、ヒアルロン酸。美白にはメラニン生成を抑制しメラニンの白色還元作用のあるビタミンC誘導体。シワをケアするならレチノール。全体的な肌老化が気になる場合はアスタキサンチンやコエンザイムQ10、フラーレンなどなどの抗酸化作用の高い成分を配合しているものを選びましょう。
また、様々なエイジングサインが気になる方には「ビタミンC」と「レスベラトロール」がおすすめです。ビタミンCはシミの予防や肌の弾力を高めるコラーゲンの生成、美白・美肌作用、抗酸化作用など、様々な角度から年齢肌へアプローチ。老化を抑制する長寿遺伝子・サーチュイン遺伝子を活性化する成分として話題のレスベラトロールは、肌の代謝促進作用やシミ、シワ、たるみなどの予防が期待できます。
・肌悩みに合わせたスペシャルケアを行う
今すぐエイジングケアコスメに切り替えるのは難しい、という方は、肌悩みに合わせたスペシャルケアを取り入れましょう。肌の乾燥が気になる方は、時間をおいて化粧水を二度付けすることで保湿を強化します。乾燥がひどく、肌の角質が厚くなり、肌荒れやくすみが気になるという方には、週に2回程度の保湿パックがおすすめです。あまり効果を感じられない場合は、古い角質を除去する作用のある酵素やAHA入りの洗顔料などを使うのもいいでしょう。毛穴の黒ずみや皮脂の詰まりが気になる方は週に1回程度のスクラブケアを。目元の小ジワやクマが気になる方は目元専用のアイクリームなどを取り入れて。
年齢肌に効果的な生活習慣
年齢肌にはスキンケアだけでなく、食習慣や生活習慣なども改めて多角的にアプローチしていくことが大切です。ご自身に足りないところを少しずつ改善し、相乗効果で若々しさを維持しましょう。
・食べる物にこだわる
人の身体は食べる物でできています。そのため、食べる物にこだわることは、スキンケアと同じくらい効果があります。まずは、規則正しい食生活を心がけ、食べる時間や量にも注意を払いましょう。そして緑黄色野菜とたんぱく質を中心に、きのこや海草類などもバランス良く摂取します。特に意識して摂りたい栄養素は美肌に効果的な「ビタミンACE」。βカロテンも抗酸化作用が強く、体内でビタミンAとして働き皮膚や粘膜を強くするのでおすすめです。
・睡眠にこだわる
細胞は主に睡眠中に修復されるため、質の良い睡眠は美肌に欠かせません。特に眠り始めは成長ホルモンの分泌が盛んになるので、スムーズに入眠できるよう、就寝前はテレビやパソコン、スマホなどの使用を控え、リラックスして過ごしましょう。適切な睡眠時間には個人差があるのでご自身に合った時間で問題ありません。睡眠の周期は1.5時間なので、その倍数で設定すると起床もスムーズになりますよ。
おわりに
身体の老化は誰にでも訪れるもの。止めることはできません。老化のスピードにも個人差があります。けれども日々のエイジングケアである程度、老化スピードをコントロールすることは可能です。年を重ねても瑞々しくハリツヤのある肌を保つには、エイジングサインに気づいたらすぐにエイジングケアを始めること。「年だから仕方がない」と諦めずに、ご自身に合ったエイジングケアで若々しくエイジレスな肌を目指しましょう。
