美しいお肌を保つためには、いかに保湿が大切か…これまでのブログで毎回お伝えしてきましたが、ニキビに関してもやっぱり保湿は大切なのでしょうか?
なんとなく、ニキビって脂性肌にできやすいイメージがありますが、なんと、乾燥肌もニキビの大きな原因になるのだそうです!
今回は、そんな大人ニキビの保湿対策についてお伝えします。
思春期ニキビと大人ニキビ
ニキビとひと口に言っても、思春期にできるニキビと大人になってできるニキビでは、その性質が違います。
思春期ニキビ
思春期ニキビは、文字通り、思春期に急激な成長ホルモンや性ホルモン分泌量の増加によって皮脂が増えることで、皮脂で毛穴が詰まりニキビとなります。主に皮脂の多いTゾーンを中心にできます。
大人ニキビ
一方、大人ニキビは、ストレスによるホルモンバランスの崩れや生活習慣の乱れによるもの、そして乾燥による肌バリアのダメージが原因となっています。皮脂の少ないUゾーン(頬から顎の顔のライン、いわゆるフェイスライン)を中心にできます。
2013年にある企業が行った肌の解析調査によると、大人ニキビの発生に影響する原因は、これまでに考えられてきた肌の油分量ではなく、顔全体の中で肌の水分量が部分的に減少する、「部分乾燥状態」によるところが大きいことが確認されたそうです。
参考:大人ニキビの原因は肌の油分量ではなく水分量の減少 – 富士フイルムが確認
大人ニキビと乾燥の関係
では「ホルモンバランスが崩れる」とは、いったいどういうことなのでしょうか?
男性ホルモンの影響?!
ニキビを悪化させる最大の要因は、男性ホルモンの分泌過剰なのです。
男性ホルモンって女性にもあるの⁈と思う方も多いかもしれません。でも、女性の体内でも男性ホルモンは作られているし、また、男性の体内でも女性ホルモンは作られているのですよ。
男性ホルモンは、肌のバリア機能を低下させると同時に毛穴を収縮させるため、角栓詰まりが起こりやすくなってしまうのです。さらに、ニキビの悪化要因である皮脂の分泌を促進してしまう性質があるので、女性の体内で男性ホルモンが増えすぎると、イヤ~な大人ニキビの原因になってしまうというわけです。
フェイスライン(もみあげから顎にかけてのUゾーン、つまり男性のヒゲが生える部分ですね)、あるいは鼻の下、口のまわりにニキビができやすい方、この部分は男性ホルモンの影響を受けやすいところなので、男性ホルモンが原因となっている可能性大です。
お肌の乾燥という点からみても、男性ホルモンはニキビと大いに関係がありそうです。
ニキビをはじめとした肌トラブルに悩んでいる人の血清を調べてみると、男性ホルモンが多く検出される傾向にあるとか。
また、男性ホルモンの影響を受けやすいUゾーンや口まわりの方が乾燥しているということから、男性ホルモンが乾燥と関係があるとも言われています。
乾燥がニキビの原因になる理由
では、なぜ乾燥がニキビの原因になってしまうのでしょう?
実は肌表面を保護するために「皮脂」の分泌量が増えることで、毛穴づまりを起こしてしまうからです。
乾燥肌の人ほど皮脂の分泌量が増え、ニキビが出来やすい状態に陥ってしまいます。お肌の角質層が乾燥してバリア機能が低下してしまうことが、大人ニキビの大きな原因となるのですね。
ニキビができやすいのは夏?冬?
ニキビはお肌がベタベタする夏の方ができやすいのでは、というイメージがありますが、乾燥こそニキビの原因になることを考えると、大人ニキビは空気が乾燥しやすい冬にこそ悪化すると言えます。
では、湿度の高い夏なら安心かというと、そうではありません。エアコンによる乾燥、屋内と屋外の急激な温度変化によるストレス、紫外線ダメージなど…夏は、乾燥そのものというよりは、お肌のバリア機能が低下してしまう要因が盛りだくさん!
バリア機能が低下すると敏感肌になってしまい、角質に水分を留めておくことが困難になり、乾燥肌になるのです。その結果、乾燥を原因とする大人ニキビができてしまいます。
大人ニキビに有効な対策とは
ここまで読んでいただいておわかりのとおり、大人ニキビは乾燥によって引き起こされる肌バリア機能の低下が大きな原因です。大人ニキビのケア・予防のために、次のようなことに気をつけましょう。
大人ニキビに有効なスキンケア成分
大人ニキビのケアには、次のような成分に注意してスキンケア化粧品を選びましょう。
ビタミンC配合のもの
ビタミンCには、炎症を促進する活性酸素を除去する抗酸化作用、余分な皮脂を抑える効果、色素沈着を防ぐ効果があり、ニキビケアや予防に適しています。
特に、通常のビタミンCよりも浸透率を高めたL-アスコルビン酸などの「ビタミンC誘導体」が配合された美容液を、保湿力の高い化粧水とあわせて使うとさらに効果的。
また、ビタミンCは肌への刺激が少なく、敏感肌からオイリー肌まで使用できます。
アルコールフリー・オイルフリーのもの
ニキビにとって、化粧品に含まれるアルコールやオイルはNG!
アルコールは塗った後の乾燥を招きますし、オイルはニキビを引き起こす原因菌であるアクネ菌の栄養になってしまい、ニキビが悪化してしまうことがあります。
できるだけ、アルコールフリー・オイルフリーで、お肌に刺激の少ない化粧品を使うようにしましょう。
消炎成分配合のもの
もともと漢方の原料としても知られる甘草の根に含まれている成分、グリチルリチン酸は、古くから抗炎症剤として広く用いられてきました。ニキビの炎症を鎮める効果があるとされているグリチルリチン酸2K配合の化粧水は、ニキビ肌にオススメです。
もうひとつ、ニキビケア化粧品に配合されている成分に、サリチル酸というものがあります。古い角質を溶かして柔軟化し、角栓を除去するのを助ける効果があり、ケミカルピーリング剤にも使われています。また、防腐作用があることから、アクネ菌の繁殖を防止する力もあるとして、多くのニキビケアコスメに配合されているようです。
ただし、角質が剥がれてバリア機能を失った肌は、保湿能力がなくなってしまいます。かえって、大人ニキビをはじめ、乾燥から生じる様々なトラブルを抱えてしまうリスクがあるため、サリチル酸配合の化粧品は、ニキビを根本的に治すにはあまり適しているとは言えません。
大人ニキビのための正しいスキンケア
1.まずは正しい洗顔
以前のブログでご紹介した、乾燥を防ぐためのクレンジング、乾燥を防ぐための洗顔方法を参考にしてくださいね。
また、皮脂を取りたいあまり1日に何度も強く洗うことは、お肌の乾燥を招き、刺激にもなるので逆効果です!
2.化粧水のつけ方
ニキビがあるからといって、洗顔後何もつけないのはもってのほか!ニキビに乾燥が大敵なのは、もうおわかりですよね。
保湿力が高く、また先にご紹介したグリチルリチン酸2K配合の化粧水を、手のひらでお肌に浸透させる気持ちでつけます。
ニキビがある場合は、コットンの繊維が刺激になる場合があるので、コットンの使用は避けましょう。また、パッティングもお肌に刺激を与えるので控えましょう。
3.L-アスコルビン酸などの「ビタミンC誘導体」が配合された美容液などを、お手入れにプラス。
4.ニキビを潰すと治りが早くなる、という話を聞いたことがある方もいるかもしれませんが、これはもう絶対NGです!
指の雑菌が付着して炎症を起こす可能性がありますし、周辺の皮膚を深く傷つけてしまうと、クレーター状の跡が残ってしまう恐れもあります。もちろん、ピンセットでも同じことですよ。潰しても根本的な治療にはなりません。
ホルモンバランスを整える
妊娠して安定期に入った女性はお肌が美しい、と感じたことはありませんか?これは、女性ホルモンであるエストロゲンが増加したことによると言われています。
エストロゲンには皮脂を抑える働き、そして肌本来のバリア機能を強化させる性質があり、一方、男性ホルモンには、最初にご紹介したように、皮脂の分泌を促す働きがあります。つまり、ニキビという観点で考えると、男性ホルモンが大人ニキビを発生、悪化させる働きをし、女性ホルモン(エストロゲン)がニキビを予防、改善する働きをする、ということになります。
女性なのに男性ホルモン優位の状態になってしまう一番の原因は、いったい何なのでしょうか?それはズバリ、不規則な生活、ストレスによるホルモンバランスの乱れです。
ストレスを受けると、自律神経のうち交感神経が優位になり、身体全体が緊張、興奮状態になってしまいます。交感神経は男性ホルモンの分泌を促すので、交感神経が活発な状態が長く続くと、結果的に男性ホルモン優位の体質へと変わってしまうわけです。
その結果、大人ニキビが悪化するという悪循環に…。
最近ストレスが多くてイライラしているなぁと感じている方は、自分がリラックスできる方法を見つけて、副交感神経優位となるような生活習慣を取り入れることが大切なのです。
質の良い睡眠をとる
睡眠不足も体にとってはストレスです。ストレスを受けると交感神経が活発になり、男性ホルモンが大量に分泌され、肌バリア機能が低下。皮脂分泌量が増加した結果、ニキビが発生しやすくなるという魔のループに。
新しい肌へと生まれ変わるターンオーバーが活発になるゴールデンタイムは、入眠から3~4時間と言われています。この時間帯に深い眠りであるノンレム睡眠を取れているかどうかが、ニキビのない美しいお肌へのカギでもあるのですね。
今回お伝えしたように、乾燥はニキビの大きな原因のひとつ。乾燥の原因を取り除き、適切な保湿をすることで、ニキビの悩みにサヨナラしてくださいね。