「あなたのお肌のタイプは?」と尋ねられた時、あなたはどう答えますか?
普通肌、脂性肌、乾燥肌(敏感肌)…大きく分けてお肌のタイプはこの3つですが、もうひとつ、「混合肌」というタイプも聞いたことがあると思います。実は、日本人の約7割が混合肌といわれているほど、この肌質は多いそうなんです。もしかすると、あなたのお肌のタイプは、これまで自分で思っていたものとは違って「混合肌」かもしれません。
今回は、この「混合肌」についてお伝えします。
混合肌とはどんな肌?
意外に多い混合肌
お顔のTゾーン(額や鼻筋)はテカテカして脂っぽいのに、Uゾーン(あごや頬)は乾燥している、洗顔した後、部分的につっぱりを感じる、季節によって肌質が変わるような気がする(夏は脂っぽく、冬はひどく乾燥するなど)…
このように、「顔の部分によって肌質の違いが顕著な肌」のことを「混合肌」いいます。オイリードライ、脂性乾燥肌などと呼ばれることもあります。もし、あなたのお肌がこんな状態なら、「混合肌」の可能性が高いといえます。
混合肌は、文字通りいくつかの肌タイプが混在している状態、例えば「普通+脂性」、「普通+乾燥」、「脂性+乾燥」のように、お顔の部分で肌タイプが違っている状態です。
いつもおでこや鼻のアタマが脂っぽいから、自分は脂性肌だな、とか、頬やあごがいつもカサカサしているから乾燥肌だ、などと思いこんでいる人も多いのですが、お顔全体の肌状態をよく見てみると、実は混合肌だった、ということがけっこう多いのです。
あなたのお肌のタイプをチェックしてみましょう。
参照:肌タイプ診断
混合肌の原因は?
多くの肌トラブルと同じように、混合肌になる原因にも様々なものがあります。
- 外的な要因
- 内的な要因
・紫外線…顔の中で最も高さのあるTゾーンは紫外線の影響を受けやすく、お肌を保護するため、皮脂の分泌も活発になります。
・エアコンによる乾燥
・喫煙や過度の飲酒によって内臓機能の働きが悪くなること
・食生活
・過剰なスキンケア、お肌に合わない化粧品
・季節の変わり目
上記のようなことがお肌への強い刺激になり、お肌のコンディションが乱れます。
・ストレス
・生理前後などホルモンバランスの乱れ
・睡眠不足
このような原因によって、活性酸素が発生しお肌のハリが失われたり、免疫力が低下してニキビができやすくなったり、さらに、お肌のターンオーバーが乱れたりします。
混合肌に適したスキンケア
混合肌スキンケアのポイント
脂性肌と乾燥肌が部分的に混在していることの多い混合肌ですが、実はどちらの部分も「本質的には乾燥している」ということです。
このタイプのお肌は、外部から乾燥を引き起こすような刺激を受けると、Tゾーンは皮脂膜によって皮脂を分泌して刺激を防御しようとし、一方Uゾーンは皮脂膜が少ないため、そのまま表面が乾燥します。その結果、Tゾーンはテカテカ、Uゾーンはカサカサという状態に陥ってしまいます。
したがって、混合肌のスキンケアでは、
「保湿」
「水分・油分のバランスを整える」
この2つを意識することがとても重要になってきます。
混合肌にも大切なのは、やっぱり基本のスキンケア。
化粧水で角層をしっかり潤した後、乳液やクリーム、オイルなどの適度な油分で潤いを逃がさないように、フタをする(=バリアを張る)ことです。
以前のブログも参考にしてくださいね:お肌の乾燥対策~うるおい肌を保つ秘訣はコレ!
混合肌の方は、この「保湿」という基本を押さえたうえで、部位ごとの特徴に適したスキンケアをしましょう。少々面倒かもしれませんが、Tゾーンには脂性肌に合ったスキンケア化粧品を、Uゾーンには乾燥肌に合ったスキンケア化粧品を選ぶのが理想的です。
Tゾーンのべたつきには
- もともとTゾーンは皮脂腺が多い部分であり、お顔のなかでは最もべたつきやすい部分。皮脂が分泌される原因は乾燥にあるので、不要な皮脂を取り除いて保湿してあげること。
- 乳液をつける量を減らし、油分の多いクリームなどは避ける。
- 余分な皮脂を放っておくと、肌の上で酸化してしまいます。べたつきが気になったら、あぶら取り紙やティッシュ、ハンカチなどで軽く抑えるようにしましょう。
Uゾーンの乾燥には
- Uゾーンは、Tゾーンと比べて皮脂腺が少ないため、乾燥しやすい部分。乾燥によって肌を守るバリア機能が弱まり、外部からの刺激も受けやすくなります。乾燥を防ぐためには、とにかく保湿することです。
- かさつく部分には、普段使っている乳液やクリーム、オイルを重ねづけしてみるのも有効です。また、コットンを化粧水で湿らせ、さらに乳液を加えた乳液パックを、乾燥が気になる部分に10分ほど貼ってみるのも○。化粧水パックよりも、さらにお肌がしっとり潤うので試してみてくださいね。
混合肌とニキビ
混合肌は、皮脂が過剰な部分と乾燥部分が混在しているため、皮脂バランスの調整が難しい状態。そのため、ニキビもできやすくなります。混合肌の場合、10代ではTゾーンに思春期ニキビが多発し、20代ではUゾーンに大人ニキビが多発する傾向があるそうです。
皮脂が多い部分には、油分の多いクリームなどを避け、肌の水分量を高めるために保湿ケアをしっかりしましょう。
こちらもあわせて読んでくださいね。
ニキビ対策には保湿がいいの?大人ニキビと乾燥の気になる関係
混合肌の洗顔方法
大切なのは、乾燥している部分と皮脂の多い部分で、洗い方を変えることです。
- 朝の洗顔、基本はぬるま湯ですすぐだけ
- 熱いお湯での洗顔はNG!
- 混合肌にしっとり洗顔料はNG!
朝起きたら、小鼻の脂を指でチェック。皮脂が少なければ、ぬるま湯ですすぐだけ、多ければ泡洗顔を。または、ぬるま湯ですすぐだけにして、脂っぽい部分にだけ、ふきとり化粧水を使いましょう。
熱いお湯で洗うと、お肌に必要な皮脂まで洗い流してしまいます。皮脂がなくなりすぎると、表面を保護するために皮脂膜をはろうとして、過剰に皮脂が分泌されるので、逆効果。
→洗顔の目的は汚れを取り除くことです。過度に油分が入っていない、刺激の少ない固形ソープがオススメです。
混合肌の化粧品を選ぶポイント
クレンジング剤
クレンジング剤は、いつも同じものではなく、メイクの濃さによって使い分けましょう。
以前のブログでもお伝えしたように(お肌の乾燥対策~うるおい肌を保つ秘訣はコレ!)、オイルタイプのクレンジング剤は洗浄力が強く、必要な皮脂まで取り除いてしまい、混合肌の方にとっては乾燥を悪化させてしまう場合も。
しっかりメイクの日はジェルやリキッドタイプ、ナチュラルメイクの日はミルクやクリームタイプのクレンジング剤にするなどして、メイクの濃さによって、クレンジングの種類を使い分けましょう。
基礎化粧品
- ビタミンC誘導体(リン酸アスコルビン酸など)配合の化粧水や美容液を使用する
- セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどの保湿成分が含まれたもの、角質層まで浸透するよう分子が小さいものの方が、保湿のためにはより効果的。
- Tゾーンのテカテカには、さっぱりタイプの乳液を、Uゾーンのカサカサには、しっとりタイプのものを使うようにしましょう。オールインワンタイプのものはできれば避け、どちらかといえば、乾燥部分のケアを優先したものを選ぶ方がよいようです。
→ビタミンC誘導体は抗酸化力が強く、過剰な皮脂分泌を抑制します。
ニキビの炎症を抑える働きもあるので、ニキビ跡の赤みなどにも効果があります。
混合肌のメイク
混合肌の方のメイクには、なかなか悩ましいものがあります。でも、先にお伝えしたように、根本的には乾燥を改善することが重要。保湿力があるメイクアップ化粧品を使い、Tゾーンの皮脂を抑えることで、化粧崩れを防ぎましょう。
- 化粧下地…テカリを抑えるだけなら、オイルフリーでマットタイプがよいのですが、乾燥には保湿効果が高いもの(セラミド・レチシン・コラーゲン・ヒアルロン酸などを配合したもの)が効果的です。
- ファンデーション…保湿効果が高いもので、さらに毛穴の引き締め効果があるものがオススメです。
- ベースメイクの前に…Tゾーンの皮脂をあぶらとり紙かティッシュで軽く押さえてからベースメイクをすると、化粧崩れがしにくくなります。
- 仕上げには…パウダーをTゾーン中心につけてテカリを抑えましょう。
- メイク直しは…あぶら取り紙かティッシュで余計な皮脂を取り除きましょう。
ただし、やりすぎはかえって乾燥を招き、皮脂の分泌を促してしまうので注意してくださいね。
混合肌に最適なファンデーションは、パウダータイプとリキッドタイプの二種類使いがいいそうです。
混合肌の人は、特に気温や湿度の変化が大きい、いわゆる季節の変わり目には、お肌のコントロールが難しく、ニキビや吹き出ものなどの肌トラブルを起こしやすいので、混合肌でない人よりも注意が必要です。スキンケアやメイクについても、そうでない人に比べると、ちょっと手間がかかってしまうのは事実です。
はじめに、日本人には混合肌の割合が多いとお伝えしましたが、生活習慣や外的・内的ストレスなどの影響で、本来は脂性肌・乾燥肌だった人が、後天的に混合肌になってしまうことも多いのだそう。だからこそ、今回ご紹介したように、肌質に合わせて化粧品を使い分けることで、改善することができるのです。
どんなお肌のお悩みにも共通する大事な解決法、そして混合肌にとっても大切なのは、なんといっても「保湿」! 面倒がらず、保湿に重点を置いた、肌質に合わせたスキンケアを楽しんでやっていきましょう。そうしていくうちに、あなたの混合肌の悩みもいつしか消えて、トラブル知らずの美しいお肌に近づけるかもしれません。